ココナッツミルク

製造・販売者

　

認証日

　

内容量

JANコード

企業リンク

ココナツミルクは、単なる調理用の食材を超えて、機能性食品としての可能性が注目されている。その健康効果の鍵となるのが、中鎖脂肪酸（MCTs）、ラウリン酸、そして抗酸化物質（ポリフェノール類）といった成分である。近年、これらの成分の生理作用に関する研究が進み、以下のような機能性が明らかにされつつある。

1. 中鎖脂肪酸（MCTs）によるエネルギー代謝の促進
ココナツミルクに多く含まれる中鎖脂肪酸（MCTs）は、一般的な長鎖脂肪酸と異なり、消化・吸収が早く、すぐに肝臓でエネルギーとして利用される特性を持っています。このため、肥満予防や体重管理、さらには持久力維持への貢献が期待されています。
特に2024年の研究では、ココナツ由来のMCTが従来の植物油と比べて脂質代謝に優れた働きを持つことが報告されています^※01“Coconut-sourced MCT oil: its potential health benefits beyond traditional coconut oil” Duranova, H., et al., 2024, Phytochemistry Reviews。

2. ラウリン酸による抗菌・抗ウイルス作用
ココナツミルクに豊富な飽和脂肪酸の一種「ラウリン酸」は、その代謝産物であるモノラウリンを通じて、細菌やウイルスの細胞膜を破壊し、増殖を抑制する働きを持つことが知られています。
2023年に発表されたレビューでは、ココナツ製品が口腔衛生や感染症予防に有効である可能性が示されました^※02“A critical appraisal on the antimicrobial, oral protective, and anti-diabetic functions of coconut and its derivatives” Review,
P.P. Shameena Beegum1, P.P. S., et al., qasf, 2022。

3. ポリフェノールによる抗酸化作用
ココナツミルクには微量ながらポリフェノール類が含まれ、活性酸素の除去や細胞の酸化ストレスからの保護といった抗酸化作用が報告されています。
2020年の研究では、市販および家庭用のココナツミルクにおける抗酸化活性が分析され、一定の抗酸化能を持つことが確認されました^※03“Antioxidant and Nutritional Properties of Domestic and Commercial Coconut Milk Preparations” Asiri N. Karunasiri, Mahendra Gunawardane, Chathuri M. Senanayake, Nimanthi Jayathilaka, Kapila N. Seneviratne, International Journal of Food Science 2020。

4. 糖尿病合併症の予防への可能性
さらに、2017年の研究では、ココナツ由来の植物化合物が糖尿病性合併症の原因となるポリオール経路酵素を阻害することが示唆されており、糖尿病性網膜症や腎症などの予防に関する新たな可能性も提示されています^※04“Coconut phytocompounds inhibits polyol pathway enzymes: Implication in prevention of microvascular diabetic complications. Devi Lekshmi Sheela et al., Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 2017.。

ココナツミルクは、脂質が多く高カロリーである一方で、代謝促進、抗菌・抗ウイルス作用、抗酸化作用、糖尿病合併症の予防といった多面的な機能性を持つ食品です。まだヒトを対象とした大規模な臨床試験は限られていますが、予防医学や代替栄養療法の視点から注目されている食品素材です。